#11 ヴェネチア・アカデミア美術館企画展「Stupore, realtà, enigma」。奇才ピエトロ・ベッロッティが描いた、緻密な「嘘」と荒い「真実」
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旅先の美術館・アートの楽しみ方をお送りするArTrip Studio。 今回の旅先は、イタリア・ヴェネチアの「アカデミア美術館」です。
以前、アカデミア美術館の常設展を紹介しましたが、今回は訪問時に開催されていた企画展「Stupore, realtà, enigma(驚き、現実、謎)」にフォーカス。 主役は、ヴェネチア美術の空白の17世紀に活躍した奇才、「ピエトロ・ベッロッティ」です。
彼が仕掛けたのは、鑑賞者を試すような巧妙な「対比」の展示でした。 圧巻は、10年の歳月を経て描き直された2枚の『運命の女神ラケシス』。 美術史的には「緻密な初期作」と「粗い晩年作」とされるこの2枚ですが、実際の絵を前にした時、その印象は逆転しました。 なぜ、緻密な方が「作り物」に見え、粗い方が「リアル」に見えるのか?
さらに、優雅に微笑む自画像と、口を固く結んで目を剥く自画像の対比。 スタジオを飛び出し路上の人々を描いた『戸外の庶民たち』まで。 美化されたヴェネチアのイメージを覆す、圧倒的なリアリズムと演劇的な世界を、独自の考察を交えて深掘りします。
【今回のハイライト:こんなことがわかります】
・2枚の『ラケシス』のパラドックス:緻密な1654年版に見る「演出された老い」と、抽象化した1660年代版に見る「真のリアリティ」。
・演じ分けられた自画像:優雅に微笑む『キソの装い』と、固く口を結ぶ『驚きの寓意』。バロック的な「嘘」の楽しみ方。
・『戸外の庶民たち』の衝撃:仮面をつけられない人々。路上の空気に潜む謎。
【関連リンク】
Gallerie dell'Accademia: Stupore, realtà, enigma. https://www.gallerieaccademia.it/en/node/3711