Épisodes

  • EP. 511『@天橋立 、其ノ四 - 四軒茶屋と文殊の知恵』
    Oct 23 2025

    京都・天橋立の端にある「智恩寺」の門前に、335年もの歴史を持つ「四軒茶屋」があります。 そのはじまりは、智恩寺の住職が四人の弟子に「茶屋を開け」と命じ、それぞれに違う団子とあんこの作り方を授けたこと。以来、四軒は互いに客を「次はお隣へ」と勧め合い、共に繁栄を続けてきました。智恩寺に祀られるのは、知恵の仏・文殊菩薩。“知”は的を射抜く矢、“恵”は切れずにつながる糸を表すように──人と人、知恵と知恵が結び合うことで、天橋立の文化は、今も息づいています。

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  • EP. 510『@天橋立 、其ノ三 - ひねもすのたりのたりかな』
    Oct 22 2025

    天橋立のある阿蘇海の入江に「与謝野町」というまちがあります。与謝野といえば、与謝野鉄幹・晶子夫妻。そして与謝といえば、与謝蕪村を思い出します。実際、蕪村は3年ほど天橋立のある宮津に住み、俳句を作り、絵を描いていました。画人としては人々の描写に「音が聞こえてくる」ような独特の味わいを絵にし、俳人としても、情景が目に浮かぶような句を詠みました。「のたりのたり」と、蕪村は穏やかな海を表現します。それは干満の少ない天橋立あたりの海の様子を的確に表現したものでした。

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  • EP. 508『@天橋立 、其ノ一 - 天橋立ホトトギス』
    Oct 20 2025

    天橋立で有名なのが「股のぞき」。その始まりは、明治時代と言われています。まるで「龍が天に昇るように見える」そんな謳い文句で観光地「天橋立」を全国に知らしめたのです。同じく観光地に人を集めると言えば、松尾芭蕉の句碑。全国、色々な所にありますが、天橋立にも、「一声の 江に横たふる ほととぎす」という芭蕉の句を刻んだ句碑が建てられています。でも、実は、松尾芭蕉が天橋立を訪れた記録はありません。一体なぜ、ここに芭蕉の句碑があるんでしょうか?

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  • EP. 507『@ランチ 、其ノ三 - 貪る食欲 ~ノンチランチ』
    Oct 16 2025

    「無関心」を英語では「nonchalant(ノンシャラン / ノンチャラン)と言います。ランチミーティングなどで、会議に夢中になって無意識にランチを食べていませんか? そんな食べることに無関心なランチを「ノンチャランランチ」=「ノンチランチ」と名付けてみました。フランスを代表する小説家のバルザックも「食」に対して、無関心、無頓着な「ノンチランチ」の人でした。小説を書くことに全てを注ぎ、そのエネルギーを満たすために、ひたすら食べる、そんな生活から生み出されたフランス文学の金字塔とも言える名作が「人間喜劇」という作品です。

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  • EP. 506『@ランチ 、其ノ二 - ランチ、食感~サクサク クランチ ランチ』
    Oct 15 2025

    「crunch」(クランチ)という言葉。バリバリ噛む、噛み砕く、粉砕するという意味です。語感の似ている「ランチ」もバリバリ、サクサク噛み砕くとおいしさが増します。「サク」という言葉には、「咲く」や「割く」などありますが、どちらもあっさりとして気持ちの良い語感を持っています。ランチをクランチする。サクサク、ザクザク食べることで、生活の中に新しさ、新鮮さを取り込めるのではないでしょうか。

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  • EP. 505『@ランチ 、其ノ一 - ランチと絵画~草上の昼食ランチョン』
    Oct 14 2025

    ランチという言葉はかつて「ランチョン」と言われていました。どちらかと言うと正装をして、誰かに招かれていく昼食のことをそう言っていました。エドゥアール・マネの名作「The Luncheon on the Grass」(草上の昼食)では、そんな「ランチョン」を川べりで行い、そして裸の女性が描かれ、当時、大スキャンダルになりました。この作品は、当時流行していた「外でランチを食べる」という風俗と古典的な題材を組み合わせ一枚の絵にするということでも画期的で、その後の西洋絵画に多大な影響を及ぼしたのです。

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  • EP. 504『@川越 、其ノ四 - 小江戸黒豚殺人事件』
    Oct 9 2025

    川越には、「小江戸黒豚」というブランド豚がいます。なんと、川越産のサツマイモに、パン、そして牛乳を食べて育つとか、、、びっくりです。そんな川越が生んだ有名な推理作家といえば、内田康夫さん。浅見光彦シリーズでご存知の方も多いかと思いますが、もし、内田さんが「小江戸黒豚」を題材にミステリーを書いたとしたら、、、、勝手に妄想が膨らんでしまいました。ミステリーとは、土地の記憶をたぐる旅でもあります。川越で小江戸黒豚とんかつが食べたくなってきました!

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  • EP. 503『@川越 、其ノ三 - 驚き!川越、柿本人麻呂が来てた?』
    Oct 8 2025

    川越氷川神社の境内には、「柿本人麻呂神社」があります。その中には、直衣(のうし)を着け、脇息(きょうそく)に身を寄せ筆を手にした人麻呂が、詩想をこらしている姿の木像があります。天皇の命を受け、地方に赴き、旅をして景色を詠み、恋を歌った柿本人麻呂。言葉だけを連れて各地を流れていった人麻呂が、旅の道中で口にしたのは、ご飯を干した「乾飯(ほしいい)」でした。そして、ときどき手に入るある「山の恵み」で命をつないでいました。

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