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ラヴクラフト「冷気」 cover art

ラヴクラフト「冷気」

Written by: H・P・ラヴクラフト
Narrated by: 大橋 俊夫
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Publisher's Summary

ふと流れてくる「冷気」というものに必要以上の恐れを抱く男。寒さに対して人以上に震え、そして軽い寒気を感じるだけで吐き気を覚える。なぜこの男はこんな妙な癖を持ってしまったのか、これからその理由を、彼の人生の中でもっとも恐ろしいというその場面を、お話しよう。雑誌の仕事を持ってはいるがお金のなかった彼は、下宿を探すうちにある建物へとたどり着いた。古くかびくさい匂いに満ちてはいるが、しのぎの部屋としては充分であった。もちろん、わずらわしい近所付き合いなども必要なかった。住み始めて3週間ほど経った頃、上階から床にアンモニアのきつい匂いを放つ、妙な液体がぽたぽたと落ちてきていることに気がついた。上の部屋には、ムニョース先生という腕にいい医者が住んでいるという。ある日、急な心臓発作に襲われた彼は、ムニョース先生の部屋へ初めて足を踏み入れた。その部屋は、6月の後半でかなり暑い日であったにも関わらず、とてもひんやりとしていた。冷気のただよう部屋で、実験器具と薬品に囲まれたムニョース先生は、心臓がなくなっても、意志や意識があればいき続けられるのだと言う。発作のすっかり治まった彼は、それからムニョース先生との付き合いを始めるのだが、しかし何週間も過ぎたある日、恐怖の中の恐怖と呼べる出来事が唐突にやってきた… アパートの隣人たちが遭遇する恐ろしい出来事、そして衝撃の結末。奇才、H・P・ラヴクラフトが贈る、背筋も凍る恐怖のホラー掌編。
(C)PanRolling

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